新型コロナウイルスの感染拡大に伴いマスク不足が常態化してきたが、テレビなどでは不足原因の本質は殆ど語られず、ドラッグストアーやスーパーなどの品切れ状態や転売問題などが語られている。
コロナ騒ぎになった現在においてのマスク使用量は、病院や買い物客の状態から恐らく通常時の2倍近く増えていると実感するし、国内のマスク製造メーカーが2倍近くの増産をしているにもかかわらず、不足が続く状態は異常と思わざるを得ない。
そして、政府もマスコミもマスクの増産にコメントはするが、不足に対していつごろ解消するかは言わないし、本質的な原因や解決策を語らない。
目 次
マスクの自給率と輸入比率
マスクはトイレットペーパーなどと違って自給率は約20%、輸入が約80%で殆どが中国からのものです。
そして、その中国が輸出を禁止していることは明白であり、日本企業の中国生産工場からの日本持ち込みも禁止されている。
つまり生産量の約80%(中国分)が失われたのであり、マスク不足は必然的に起こるわけです。
従って、自給率20%の国内企業がいくら2倍、3倍の生産増を行っても追いつかないのは明白であり、コロナが終息しない限り店頭でいつでも買える状態になるのは、難しいのではないかと想像できる。
ただ、供給が完全に止まったわけではないので、運がよければ買える可能性はあるが、タイミングよく並べない人は買えないかもしれない。
ちなみに私は一日おきに食料などの買い物をしているが、スーパーにもドラッグストアにもマスクは有りません。
マスク不足の本質的な原因
以上からマスク不足の本質的な原因は、自給率の圧倒的な低さと、自国の都合で輸出を禁止をするような国に頼っている日本企業の危機管理不足、そして日本人の危機に対する鈍感(私も含め)によるものと思います。
マスク不足を解消するには自給率を上げるしかないが・・・
自給率20%では、今回のような世界的なウイルス感染拡大時に、マスク不足を解消することは難しく、根本対策は自給率を上げるしか方法は無いと思われる。
マスクの使用目的と価格面から自給率アップの難しさ
マスクは定常的に使用するのは、主に医療関係の従事者、そして食料関連の従事者だと思います。
そして、私たち一般人は病気予防として必要に応じて使う言わば不定期の使用者、そして今回のマスク不足を引き起こしている当事者でもあるんです。
コロナ騒ぎの前は、スーパーの買い物でマスクをしている人はまず居なかったのに、今は約80%ぐらいの人がマスクをしています。
従って、使用量や価格面から日本企業はコストの安い中国に生産拠点を求めたのだと思うのです。
これらから命に関わる病気や健康面から思えば、マスクの価格がある程度上がっても、つまり国内企業が設備投資をして増産しても採算が取れるように、国民全体で製造業を支える状態にしていかねば、マスク不足は解消しないと思います。
これまでのように安ければどこの製品でもよいと身勝手では解決しないのです。
マスクは緊急対策物質
マスクは人間の命を守る物質の一つと言えると思います。
従って、マスクは国民の健康や命を守る物質としての位置づけも必要で、緊急対策物質として備蓄等も考えなければならないと思います。
それゆえ、自衛隊や都道府県でもわずかですが備蓄をしていますが、圧倒的に足らない量で国民の命を守る観点から見直す必要があると思いますが、果たして今回の教訓が生かされるか?
まとめ
これまでオイルショックも含め何度も大きな危機がありましたが、喉元すぎれば熱さを忘れるのごとく危機管理も忘れ、再び同じことを繰り返します。
マスクの自給率の低さも同様で、世界はどこも自国優先ですから輸入品に頼っていること自体が問題、この問題を解決しない限りマスク不足は繰り返すでしょう。
その他では、食料の自給率も40%を切っており、いずれ何かのきっかけで不足の事態になる可能せは少なからずあります。
今回のマスクの教訓は、マスクだけにあらず、自給率の低い物質すべてに当てはまる教訓です。
異常な現象
政府はマスクの転売を禁止(購入価格より1円でも高く売る)したが、転売は極僅かな要因である。
それにしても自給率アップにまったく触れないのは異常。
アメリカのトランプ大統領は、戦略物質として国内生産増強に動き出している。
話は変わるけど、マスクの便乗値上げもひどいよね。
ネット販売では、通常価格の5~6倍で販売しているのが横行、品薄なので20~30%の値上がりは解るが、ヒドすぎる。
これらは取締の対象外というのもおかしいと思う。