空腹時血糖値が高い「120mg/dl以上」人に、迅速に血糖値を下げる食事の取り方をご紹介します。
その方法は空腹時血糖値が「150以上」あり、糖尿病であった私が「103~117」まで下げた実際に体験したものです。
目 次
空腹時血糖値が高い原因
健康診断などで行われる空腹時血糖値は通常朝食前に測定されますが、この数値は日々の食事と日常生活の影響(特に運動量)を受けます。
夕食時の糖質量が多いと空腹時血糖値は高くなる
まず空腹時血糖値は夕食の糖質量の影響を受けやすいこと、これは夕食後は運動が少なく就寝時間が長いので血糖値が下がりにくい時間帯であることを知ってください。
従って、夕食を多量に食べて血糖値が高くなったときに、インスリンの効力が不足(分泌量が少ない、働きが弱い等)すると、血糖値の高い状態が長時間続き、空腹時血糖値が高くなるのです。
例えば、夕食は「お酒を飲む」、「ご飯などの炭水化物の量が一番多く」、「おかずも一番多く砂糖などの調味料も多く使う」など、3食の中で糖質の多い物を食べるのが習慣になっている人が多くいます。
これらが空腹時血糖値を高くする大きな要因となっており糖尿病の主原因となっているのです。
以上から空腹時血糖値を下げるには、夕食の糖質量を減らせば下げられる可能性が高いとお分かりいただけると思います。
血糖値が高くなる食べ物を多量に食べている
糖尿病になった人の殆どは、食事の量が多く、炭水化物(ご飯、パン、麺類、砂糖・甘味料、芋類・澱粉類など)、間食で甘い物(お菓子、飲料)を摂り、しかも運動量が少なかったとの共通点があります。
従って、血糖値が高くなる食べ物を少しづつ減らしていけば、空腹時血糖値が下がることに繋がります。
実際には食べ慣れた物を急激に減らすのは抵抗があると思うので、例えば間食や甘い飲み物を半分ぐらい減らしてみるのも一手です。
空腹時血糖値は糖尿病の判断基準の一つ
空腹時血糖値(10時間以上食事を摂らない状態での血液検査の結果)は、健康診断(人間ドックなど)で行われ糖尿病の判断に用いられます。
そして空腹時血糖値の基準値(70~109mg/dl)を超えると医療機関での糖尿病診断をするよう指導されます。
この時点で糖尿病の予備軍、あるいは既に糖尿病になっていると思われます。
もう一つの糖尿病の判断基準としてはヘモグロビンa1c(HbA1c)がありますが、これは1~2ヶ月の平均血糖値を示すものです。
ヘモグロビンa1cは「7.0%以上」になると恐ろしい合併症(糖尿病網膜症、神経障害、動脈硬化、糖尿病腎症など)を引き起こす可能性が高いので要注意です。
以上から空腹時血糖値を下げることは、ヘモグロビンa1cを下げることにも繋がりますすので、空腹時血糖値を迅速に下げることは糖尿病の重症化(合併症)を防ぐことになります。
空腹時血糖値を迅速に下げる3食の糖質変換法とは?
空腹時血糖値は夕食の献立を変更(糖質量を減らす)すれば迅速に下げることができますが、夕食の量を減らすという決断が必須となります。
しかし、血糖値が基準値より少し高い糖尿病予備軍の人はそう簡単には献立変更の決断はできないと思います。
でも、空腹時血糖値が140mg/dl以上になっていれば、合併症の危険性が高まるので待ったなしで血糖値を下げなければなりません。
兎に角、合併症になると生活環境が著しく制限・悪化(これは我が家の体験から言えること)しますので高い血糖値を放置できません。
夕食の糖質量が一番少なくなる献立にする
夕食は殆どの家族が朝食と昼食をカバーするため食事の量が多く、お酒を楽しむ人もいるでしょう。
この夕食量の多さが血糖値を高め、しかも夕食後は運動が少なく就寝に入るので朝の空腹時血糖値を高めることになるのです。
この状態が長く続き、中高年になって日常の運動量が極端に減っていくと糖尿病になりやすくなります。
以上から空腹時血糖値を迅速に下げるためには、夕食の糖質量を減らすのが最も早い対策となるのです。
以下に私の空腹時血糖値が「150~160mg/dl」から「103~117」に下がった献立をご紹介します。
このような方法は一般の糖尿病専門医からは指導されませんが、糖尿病の研究者の中では提唱されておりテレビでも放送されたことがあります。
なお、上記の献立は家庭の状況、自分の必要カロリーなどを考慮して独自に考えたものです。
※献立は参考程度にしてご自分の体格に合わせて立案するのがベターです。
朝食の糖質量を多くして1日のカロリーを維持する
一般的に朝食後は会社に出かけたり、掃除・洗濯・買い物など体を動かすことが多くなり、糖質量が多くても血糖値が下がり易いのです。
従って、朝食は1日の必要カロリーを考慮して3食の中で一番食べる量を多くするのがいいのです。
しかし、会社勤めの方は朝が忙しいので多めの食事を準備するのが難しいかもしれませんが、前夜の残り物や缶詰などを利用するのも一手です。
昼食は中間の糖質量する
空腹時血糖値を迅速に下げる食事の取り方をご紹介していますが、この方法は3食の糖質量を朝食>昼食>夕食にすることで効果を上げたものです。
しかし、3食の中間の糖質量であれば何を食べても良いということではなく、例えば昼食でパンを主体にした食事であっても、菓子パン(あんぱん、クリームパンなどなど)はなるべく避けたほうが良いと思います。
また、コーヒーがお好きであっても砂糖の量をへらすとか、ブラックがおすすめです。
間食で甘いお菓子や飲み物を減らす
間食とは、食事の合間に甘い物(糖質量が多い)を食べたり飲んだりすることであり、血糖値を常に高い状態に維持することになります。
これも糖尿病になる人の共通点でもあり、できれば少しづつ甘い物の減らせば空腹時血糖値を下げることに繋がります。
飲料は極力、糖質の少ないものを選びましょう。
空腹時血糖値を自宅で測定し記録する
血糖値は通常においては健康診断や通院の病院で測定されますが、どちらも頻度が少ないのが欠点です。
せっかく食事の取り方を変えても血糖値がどれくらい下がったのか分からないのでは、やりがいも薄れるので自宅でその都度測定するのがベターです。
血糖値が高く早急に対策が必要な方は、「家庭用の血糖値測定器」を購入し適度の測定をすべきでしょう。
家庭用の測定器はいろいろ種類がありますが、ご参考までに私どもが使用しているものをご紹介します。
メーカー:TERUMO
品 名 :メディセーフ フィット
針 :ファインタッチ ディスポ 1.5mm
チップ :メディセーフ フィット チィップ
なお、血糖値測定器はドラッグストアや薬局などで売られています。
【測定のポイント】
・測定は夕食の約2時間後で1回、翌朝の食事前に1回行い記録する
※参考までに夕食のメニューも記録する
・測定頻度は最初の1週間は毎日測定し、翌週からは2囘/週程度でも良いと思います
・A4サイズの用紙に半年ぐらい記録できるよう線引きをして記録していきます
上記を続け1ヶ月ぐらいデーターが揃えば、どのような献立の時にいくらぐらいの血糖値になるか分かってきます。
もし、血糖値が思うように下がらなければ、まずは夕食の糖質の多い食材を更に減らし、間食をしているならその量を減らしていきましょう。
そして、自分の状況に合わせた献立作りをしていけば、血糖値は正常値(70~109mg/dl)に近づいていきます。
空腹時血糖値はどれくらいの期間で正常値に近づかくか?
糖尿病の私が3食の糖質変換法を見つけるまで約2年かかりましたが、それまでの間も試行錯誤で血糖値を徐々に下げてきました。
しかも食べるものは各人の嗜好があり各家庭の事情もありますので、私と同様の献立にすることは難しいでしょう。
以上から何ヶ月で正常値に近づくかは、残念ながら明確に示すことはできません。
しかし、もし貴方が夕食の炭水化物(ご飯や砂糖・調味料、芋類・澱粉類)を半分にしたり、お酒の量を減らせば、空腹時血糖値は1ヶ月以内に明らかな降下を示すと思います。
それで納得いただければ、効果をよりすすめ安定化させるために、間食の改善も加えていけば、より確実な糖尿病対策に近づけると思います。
まとめ
空腹時血糖値が高いと医師から食事療法を指導されますが、実際のところ指導通りの献立を作ることは難しいものです。
それは料理を作る人や家族構成があるからで、一人だけ特別の献立を作るのが困難な面があるからです。
従って、血糖値を下げる献立は本人が立案して料理するとか、家族料理の中から自分が食べるものを選ぶ方法にすべきでしょう。
そして、空腹時血糖値を下げる食事の取り方のポイントとして、おすすめしたいのは次の通りになります。
1.夕食時では糖質量の多い物(ご飯、麺類、芋・澱粉類、砂糖、お酒類)を減らす
※お酒を減らせない方は糖質ゼロのビールも発売されているので利用しましょう
2.間食を減らす(お菓子、甘い飲み物)
3.朝食は1日のカロリー不足にならないようしっかり食べる
上記をまとめると食事の量は、朝食量>昼食量>夕食量 にすることで血糖値は大きく下がります。
なお、糖尿病は定期健康診断をしていれば早期発見が可能で進行を防ぐことが出来ますが、健康診断嫌いや恐ろしい合併症を知らない人がより悪化させる傾向にあるので要注意です。
この記事が参考になれば幸いです。
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