糖尿病の合併症として発症する糖尿性腎症は、腎臓治療の一環として用いられる食事療法で血糖値が高くなる場合があります。
その理由は、食事の熱量(カロリー)が少ないと腎機能の悪化に拍車をかけるため必要なカロリー摂取が必須であり、その献立で糖質量が多くなってしまうのです。
そこで血糖値をコントロールするためにDpp-4阻害薬(内因性インスリン分泌を増幅)の投与やインスリン注射が併用して行われるのです。
糖尿性腎症で指導される食事療法
糖尿性腎症で病院から指導される食事は、摂取カロリー、塩分・タンパク質・カリウムの制限が主になります。
塩分・タンパク質・カリウムを制限して必要なカロリーを摂るためには、ご飯などを増やさざるを得ず糖質量は増えて血糖値が上昇しやすくなります。
このような献立は全病院が同様とは言えませんが、私たちが体験した中堅病院の腎臓科医が指導したものであることは確かです。
目 次
糖尿性腎症の血糖値を下げる治療
今回、私の家内が受けた血糖値のコントロールは、DPP-4阻害薬(テネリア錠20mg:1錠)とインスリン注射(朝食前・昼食前・夕食前の3回:各5単位)です。
DPP阻害薬は副作用も少ないと言われていますが、インスリン注射は低血糖などの副作用が起こり得るので、患者としてはなるべく避けたいのが本音です。
実際にインスリン注射をした後に低血糖が数回発生(夜間に多かった)したので、もうインスリン注射が怖くて、家内は低血糖に怯え眠れないこともシバシバありました。
医師からは食事前の血糖値が100以上の場合にインスリン注射をするようにと言われていましたが、150ぐらいでも低血糖が起こるので自己判断でインスリン注射は中止することにしました。
でも、DPP-4阻害薬(テネリア錠20mg:1錠)は服用しているので、これが血糖値を下げる効果は出ているようです。
なお、インスリン注射は後日の診察において医師と話し合い、中止の指示をいただきました。
【インスリン注射の中止後の血糖値】
朝食前:78~108
昼食前:86~135
夕食前:111~139、151(1回のみ)
就寝前:117~134
インスリン注射を中止しても血糖値は結構安定しており、低血糖は一度も発生していません。
自宅で血糖値を下げるために実施していること
病院食はカロリーを確保するために、ご飯を増やす⇒糖質量が増える、おかずにも糖質量が結構含む献立になっています。
しかし、これでは血糖値が上がってしまうので我が家では種々の工夫をしています。
玄米を白米にブレンドして血糖値の上昇を抑える
玄米は白米に比べ栄養価が高く、しかも食後血糖値の上昇を示す指標GI値は、白米が「88」に対し玄米は「55」と低く、血糖値の上昇が少ないのです。
従って、玄米を食べることは血糖値の上昇を抑制するので、病院の栄養士さんも推奨しています。
我が家では、白米の20%を玄米に置き換えブレンドして炊飯しています。
低糖質のパンを食べる
毎食ご飯を食べるのは味気ないので我が家では、朝食のみパンを食べています。
しかし、通常売られいるパンは糖質量が多く血糖値が上がりやすいので我が家では、低糖質のパンを選んで食べています。
コンビニなどで売られている低糖質パンは、一般のパンと比べ糖質量は1/3と非常に少なくなっており重宝しています。
ご飯を減らし低糖あんこで補充する
腎臓病食は摂取カロリーを確保するために、ご飯の量が多めの献立になりますが、これは糖質量が増えて血糖値の上昇に繋がります。
これを防止するために、ご飯に換わる「カロリーが多く糖質量の少ない食べ物」を探していたところ、100グラム当たりの糖質量が1.4gと非常に少ない「低糖あんこ」を見つけました。
この低糖あんこは、小豆の皮とあんこの煮汁で作られたもので、食物繊維も非常に多く含まれていますので便秘にも効果が期待できます。
例えば、白米ご飯を30g(カロリー:50kcal、糖質量:11g)減らして、低糖あんこを45g(カロリー:48kcal、糖質量:0.6g)食べれば、カロリーはほぼ同じで糖質は約10g減らせるのです。
まとめ
1.糖尿性腎症で病院の栄養士から指導される食事は、カロりー確保のためご飯の量も多く、
血糖値の上昇が起こり易い。
2.血糖値を下げるための処方は、Dpp-4阻害薬(内因性インスリン分泌を増幅)の投与や
インスリン注射が併用して行われる。
但し、インスリン注射は低血糖などの副作用が起こる可能性がある。
3.血糖値を下げるため玄米、低糖パン、低糖あんこを活用した。
これにより血糖値コントロールが容易となり、副作用のあるインスリン注射を止めた。
糖尿性腎症の食事療法は、糖尿病と相反する面があり、病院では血糖値の上昇はやむを得ないとして、インスリン注射などで対処します。
しかし、食事の工夫で両立するする献立は作れます。
ただ、病院では血糖値の上昇を抑える食事の指導は一般的には行われないので、そこについては自らが探索しなければなりません。
今回、ご紹介したことは糖尿病のみの方にも適用できると思うので、ご参考になれば大変嬉しく思います。
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